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金子 政志
放射化学, (35), p.36 - 39, 2017/03
2016年日本放射化学会賞・奨励賞受賞者の受賞対象研究を紹介した解説記事である。メスバウアー分光パラメータと密度汎関数計算を用いて、鉄錯体のスピン相転移現象やランタノイド・アクチノイドの分離メカニズムを明らかにした研究成果について解説を行った。
村松 康司; 広野 滋*; 梅村 茂*; 上野 祐子*; 林 孝好*; Grush, M. M.*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Carbon, 39(9), p.1403 - 1407, 2001/06
被引用回数:18 パーセンタイル:58.33(Chemistry, Physical)電子デバイスなどの超硬質表面保護膜として注目されているスパッタカーボン膜の膜質向上・制御を目指し、分子レベルでの化学結合情報を取得することとその局所構造を解明するため、系統的に条件を変化させて成膜したスパッタカーボン膜のCKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceにおいて行った。その結果、従来のEELSでは識別できなかった微細構造を吸収スペクトルにおいて観測するとともに、発光スペクトルにおけるショルダーピーク強度と吸収スペクトルにおける微細構造ピークの相対強度比が成膜条件に依存することを見いだした。得られたX線スペクトルをDV-X分子軌道計算法により解析した結果、これらのスペクトル形状はsp炭素原子とsp炭素原子の結合の組み合わせによって定性的に説明できた。
村松 康司; 上野 祐子*; 石渡 洋一*; 江口 律子*; 渡辺 正満*; Shin, S.*; Perera, R. C. C.*
Carbon, 39(9), p.1359 - 1402, 2001/06
環境汚染物質の吸着除去剤や環境触媒などとして注目されている多孔質カーボンにおいて、孔内部の化学反応特性に強く影響を及ぼすと考えられる酸素の化学結合状態を解明するため、多孔質カーボンのOKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceの回折格子軟X線発光分光装置を用いて行った。その結果、従来の分光手法では直接検出が困難であった孔内部の酸素を軟X線発光吸収分光法によって容易に直接検出できることを示した。さらに、得られたX線スペクトルをDV-X分子軌道計算法により解析した結果、多孔質カーボン中の酸素は従来の熱脱離法で予測されていた-OH,-CHO,-COOHなどの置換基状態では十分に説明できないことがわかった。
村松 康司; 竹中 久貴*; 上野 祐子*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Applied Physics Letters, 77(17), p.2653 - 2655, 2000/10
被引用回数:13 パーセンタイル:51.49(Physics, Applied)高輝度放射光に代表される大強度軟X線の分光・集光素子として不可欠な耐熱性多層膜ミラーの開発に資することを目的として、耐熱特性を支配する化合物バリア層の化学結合状態を解明するため、Mo/SiC/Si多層膜におけるシリコンカーバイド層のCKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceにおいて行った。得られたX線スペクトルをDV-X分子軌道法により解析した結果、このシリコンカーバイド層はh-またはc-SiCの基本構造において一部のシリコン原子を炭素原子で置き換えた炭素過剰な状態にあることが示唆された。併せて、多層膜における化合物層の非破壊状態分析に軟X線発光吸収分光法が有効であることを示した。
馬場 祐治; 下山 巖
no journal, ,
全反射X線光電子分光法(XPS)および全反射X線吸収微細構造法(XAFS)により、酸化物表面に吸着した極微量セシウムおよびストロンチウムの化学結合状態を調べた。試料には土壌中において放射性核種の主な吸着サイトと考えられている層状酸化物(雲母)を用いた。全反射XPSの検出限界は、セシウムで約100ピコグラム(200ベクレルのセシウム-137に相当)、ストロンチウムで約150ピコグラム(300ベクレルのストロンチウム-90に相当)であった。種々の吸着量におけるストロンチウムの全反射XPSおよび全反射XAFSスペクトルの主ピークは、吸着量の減少とともに低エネルギー側にシフトした。ストロンチウム化合物の内殻軌道エネルギーは、結合の分極が大きくなるほど低エネルギー側にシフトすることから、ストロンチウムは微量になるほどイオン結合性が強い状態で吸着することを明らかにした。
金子 政志
no journal, ,
密度汎関数法(DFT)は、マイナーアクチノイド(MA)やランタノイド(Ln)錯体の構造・電子状態・安定性を理解するために用いられてきた。これまでのDFT研究によって、Am/Euの選択性は錯形成反応における安定性の違いによって説明できることが示唆されてきた。しかしながら、その選択性の起源は未だ明らかでない。本研究は、DFT計算を用いてAm, Eu錯体の安定性を金属-配位子結合における共有結合性と相関づけることによって理解することを目的としている。まず、メスバウアー分光パラメータとのベンチマーク研究によって、計算手法における化学結合パラメータを最適化した後、その計算手法をAm/Eu分離へと適用して、金属-配位子間の結合状態解析を行った。その結果、Euは配位子のドナー元素の種類によらず電子波動関数が同位相で重なっているのに対し、Amは硫黄原子とは同位相、酸素原子とは逆位相で重なっていることが分かった。これは、金属と配位子との結合状態の違いがAm/Eu選択性の鍵となっていることを示唆している。
新井 太貴*; Qiao, Y.*; 鈴木 俊明*; 吉越 章隆; 本橋 光也*
no journal, ,
Si酸化膜は絶縁材料として電子デバイスや生体材料に広く利用されている。この膜の原子結合状態は、各デバイスの特性に影響を与えるため、膜中のSiとOの化学結合状態を制御することが必要となる。本研究では、極低濃度のHF水溶液を用いた陽極酸化によってSi基板表面に形成されるSi酸化膜をSi2pおよびF1sを中心にX線光電子分光によって分析した。HF濃度がppmオーダであるにもかかわらず、膜表面にパーセントオーダのFを含んでいることがわかった。膜中にSi-FやSi-O-F結合が形成されたことを示唆する結果である。また、FとOの深さ分布が異なることから、FとOで表面反応プロセスが異なることが推論された。